1-GALLERY Volume.1 XLH1200参照
2-フロントホイール21インチに変更
3-ホイール/ブラックパウダーコート処理
4-ボトムケース/ブラックペイント
5-タイヤ/メッツラーME880 
6-マフラー/ブラックペイント
7-ブルーメタリック-オールペイント


今回のスポーツスター・チョッパーは新規で製作された車輌ではありません。GALLERYコーナーのVolume.1に掲載されている1989年式スポーツスターをオーナーの代替わりと共に再度カスタムしたものです。もともと、スタイル的にもシックス・モーターサイクルお得意のシンプル・チョッパーカスタムでしたので、変に大掛かりな手を加えずにポイントを押さえた小改造で上手くイメージを変更することに留めました。フロントタイヤのインチアップによるフォルムのバランス変更と各部のリペイントによるカスタムだけですが、以前のイメージとはまた一味変わったモノになりました。
前回はノーマルサイズのフロント19インチタイヤとライトグレーのソリッドカラーでヨーロピアン・テイストを感じさせるようなイメージでしたが、今回のポイントはアイアンショベルに代表されるようなアウトロー・テイストなチョッパーイメージでいこうという訳です。 FLシリーズにスポーツスター系の19インチのフロント廻りを移植させてFXシリーズとしたようにフロントのインチアップによる大きく細いタイヤから感じられる軽快感の演出は、チョッパー製作での定石手段です。オンロードスポーツ車のタイヤに舗装道路での走行性能には疑問のある21インチを装着する、このような自虐的なイイ加減さがチョッパー・テイストなのかも知れません。
そして、ペイント変更はイメージを大きく変えるには絶大な効果がありますが、今回のブラックとメタリックブルーのコンビはシックス的にはアウトローを感じさせるカラーになっています。その根拠は10年ほどに知り合いが乗っていたアイアン・ショベルのペイントカラーが基になっています。 もちろん彼はけっして極悪人ではありませんでしたが、その盛大に白煙を撒き散らすブルメタのオンボロ・アイアンに当時の仲間達は不良を感じたものです。(その当時、アイアンショベルと言えば、まともに走らないクソバイクという共通認識がありました。あえて、それを自分なりに手を加えて堂々と乗り回す、その姿勢がカッコイイと感じたのかもしれません。)このスポーツスターを見て、そんな古っぽいアウトローな雰囲気を感じ取ってくれたら、あなたは我々と同じ感性の持ち主かもしれませんよ、不幸にも。
ところで、このスポーツスターは今回で3人目のオーナーなのですが、歴代のオーナーは全員島根県の人。このスポーツスター初めてシックスで造ってからずっと島根県内で走ってきました。このような見て良し乗って良しのライトカスタム・バイクは身近で走っているところを見てしまうと、その気楽なカッコ良さゆえに人を魅了するオーラがあるのでしょう。


メタリックブルーにペイントされた外装と、まだまだキラメキを保つクロームが美しいハンドル廻り。当時、シックスで頻繁に使われていたカワサキバイクから流用したブレーキレバーが懐かしいです。近頃はグリメカにその座を取って代わられたものの円筒形のブレーキーフェールドタンクは魅力的です。良いものは流行に関係なく良い、スイッチボックスの無いシンプルなハンドルスタイルは不滅ですね。

当時はスポーツスターにサンダーヘッダーマフラーが装着できるなんて新鮮でした。ビックツイン専用だと思っていましたから。もとはクロームでしたが、今回のイメチェンに合わせてブラックペイントされました。フィン先剥離無しの赤と黒のエンジンペイントもヘルズ仕様だといって、解っている店はよくこの仕様でした。当店では現在も懲りずにちょくちょくやっています。継続は力なりといったところでしょうか。


フロント廻りは19インチから21インチにインチアップさせ、チョッパーテイストを増しています。クラシックなイメージでハブもスポークもリムもまとめてパウダーコート処理でブラック一色に。合わせてフロントフォークのボトムケースもブラックにペイントしました。
タイヤは性能と雰囲気を兼ね備えた、メッツラーME880をチョイス。

リア廻りもインチアップこそしていませんが、ペイントはフロントと同じ処理を施しています。リアフェンダーと共にタイヤに沿ってアールを描くフェンダー・ストラットは前期スポーツスターならではの美しい造形ですが、これも雰囲気に合わせてブラックペイントに。リアタイヤも、もちろんメッツラーME880で揃えています。


APR .2009