1-F21インチ ファイアストンタイヤ
2-R16インチ コッカータイヤ
3-4.5インチライト
4-パウコ製3インチドッグボーン
5-ロボットハンドル
6-スポタン/ハイマウント
7-CHオイルタンク
8-ワンオフ 段付きシート
9-ワンオフ シッシーバー
10-パウコ製ドラッグパイプマフラー
11-5インチ幅フラットフェンダー/クローム
12-ワンオフキング&クィーンシート
13-Bキャブ
14-Eg T/Mオーバーホール
15-1.5インチオープンベルト
16-ロッカークラッチ ジョッキーシフト
17-R油圧ドラムブレーキ
18-パウコ製リジッドバー
19-Growskatペイント


シックス・モーターサイクルが過去に製作してきたチョッパーとはチト毛色の違うスタイルのショベルカスタムです。ビックツイン・ショベルにアイアンショベルのテイストを取り入れたチョッパーとでも表現できるようなカスタムスタイルと言えるでしょうか。それもオーナーがアイアンショベルに憧れてハーレーに興味を持ち、実際にアイアンショベルに乗っていた影響が大きいでしょう。次にビックツインに興味が湧いて乗り換えてもアイアンのイメージはどこかしら残したい、そのようなオーナーの複雑な気持ちがありありと見て取れるチョッパーです。
そのような思いを汲み取って、潔くストレートに軽快なスポーツスターのイメージをそのままビックツイン・チョッパーにシフトしてきたような手法が使われています。 スポーツスタータンクの絶妙なマウント位置に始まり、フロントフォークの長さ調整によるフレームの立ち具合、クロームフェンダーに長めのシッシバーにピタリと合った極厚のキング&クィーンシートなどアイアンショベル・チョッパーの待つアウトローないイメージを強く意識したカスタムとなっています。おっと、忘れてはいけないオーナー持込みのこだわり純正CHオイルタンクがライトチョッパーイメージに大きく貢献しているのも見逃せません。
このようにオーナーが真っ当なビジョンを最初から持っていると一味違うカッコ良いチョッパーになるのですが、最近のマスメディアに多い無責任な情報によったイメージを持ってしまうと上っ面だけを真似た二番煎じのチープなレプリカ・カスタムになってしまったり、反対に世間の流行りなんて関係ないぜとばかりに自己顕示欲の強い頑固なイメージで仕上げてしまうと却って奇妙なチョッパーになったりと難しいところもあるいます。それぞれのショップの方向性もありますが、カスタムスタイルだけを考えてみればオーナーのセンスの良し悪しが影響を与えることも多いような気もしますね。シックスのチョッパースタイルが大好きだからと言ってすべてお任せ下さるのは有難いことですし、もちろんお店の自負にも繋がることなんですが、そうするとどうしてもシックス流とは言えど同じようなスタイルのチョッパーになりがち。自分だけのカスタムというのならば多少の自己主張は欲しいですよね。今回製作のチョッパーを見てシックス・スタイルだけど何か少しカッコよさが違うと思った人がいるならば、それはオーナーとシックスとのセンスのバランス感というものが良好だったのではないでしょうか。


最近流行りのフロントブレーキも入らない程に幅を切り詰められた超ナローフォークではなく、純正FXならではの安心して見れるカッコ良いナローフォーク。別に無理せずともビックツインにはこれくらいでちょうど良いのではないでしょうか。仕様としてはショートライザーにパウコ製3インチ・ドッグボーンライザーをさらにエクステンションして高さを稼ぎ、ロボットハンドルを装着する、ショベルならこれで必要にして十分、さらりとしてカッコ良いですよね。

アイアンショベルを意識せずともスポーツスタータンクはチョッパーには断然似合います。ちょいハイマウントするためにガスコック位置などを加工したタンクにはモノトーン主体の車体構成に紅を差すかのように鮮やかなペイントが。このペイントを手がけたのはあの一部で有名な「UぃL」のペイントを担当したGrowskatで同店の得意なビビットなカラーリングにて仕上げられています。関西ハーレー特有のドブ臭さの感じられない洗練されたデザインです。


  

ミッションと共にフルオーバーホールされたショベルエンジンはノーマル色を感じさせる黒とアルミ仕様に仕上げられ吸気系はS&S-Bキャブのエアクリーナレス、排気はパウコ製で玄人好みのフレーム下に取り回されたドラッグパイプと共に派手さを抑えたシンプルな仕様。写真では判りませんがオープンベルトにジョッキーシフトと一通りの改造はされています。オイルタンクは先に述べたようにオーナーが前バイクに取り付けるつもりで購入したレアパーツ純正CHタンク。オーナーは使うかどうか迷っていたようですが、イメージアップには最適だという当店の判断で採用。軽快なイメージに拍車をかけています。

シートとタイヤに挟まれ視認面積は狭いもののキラりと輝くクローム処理されたフラットフェンダーがタンクと同じくインパクト大です。長いシッシバーはワンオフで、それに合わせて製作された座り心地の異常に良さげなキング&クィーンシートが今回のポイントの一つです。デフォルメされたかのようなフォルムに繊細なダイヤモンドステッチが入る、70年代のアイアンチョッパーに使われていたかのようなシートをイメージしました。ちらりと見えるリジッドバーは当店ブランドものでは重いイメージが強すぎだと判断されたのかパウコ製のシンプルなものに変更。自社製品をごり押ししないまことに潔い判断ではないでしょうか。


DEC .2010