1-レプリカ/VLスプリンガー |
ひと目でシックス・モーターサイクル製作と判るこのチョッパーはもちろん、当店の基本概念「造りの良いスタンダード」をコンセプトに製作したもの。過去のギャラリーにも同じコンセプトで製作されたリジッド・ショベルが数多くあるが、多少の違いはあれど、シックスがチョッパーに対する首尾一貫としたストイックさというものをカスタムの根底に感じ取ってもらえると思う。 |
パウコの3インチライザーにやや高めのエイプバー・ハンドル。グリメカ・ブレーキレバーとグリップ以外はハンドルには付かない、これぞチョッパーとでも言うようなシンプルなハンドル廻り。ブレーキレバーはもちろんフロントはブレーキレスなのでリアブレーキ用のシステムである。 |
2.2ガロンのナローなマスタングタンクはパウコの製品を幅詰め加工無しで使用する。長年この業界で伝えられてきたスタンダードなフォルムであるからだ。ペイントはダーク系のフレイムス・パターンを、最近あちこちの雑誌で登場するようになった飴色塗装店にて仕上げてもらった。 |
エンジン・ミッションはフルオーバーホールゆえ、オーナーは当分の間は味わい深いショベルの乗り味をじっくりと堪能できるだろう。ミッション後部からリアタイヤにかけてのシンプルさは、やはりスイングアームタイプやソフテイルには無いものがある。マフラーは流行りに反してオーソドックスなストレート・ドラッグパイプをチョイス。最近はこのようなシンプルな形状のマフラーの方が、カスタム車ではかえって目立つようだ。 |
故佐藤氏と縁のある人物しか、手に入れることができなかったモーターサイクルデンの幻のキャブカバーが一般発売された。オリジナルは極少量生産でしかもガレージキット的な製品だったのでそれゆえ、入手方法・加工精度など、持ち主それぞれの個性が出たモノであった。それに比べるとこの製品は画一的で没個性なイメージが否めないが、オリジナルより数倍精度の高い完成品として、簡単に手に入る喜びは計り知れない。 |
社外の既製品で仕上げられた、ジョッキーシフトにノンロッカーシステム。さらには1.5インチ幅のオープンベルトといった組み合わせと、チョッパーとしては伝統のある完成度の高い必要最小限の仕様である。ステップはFX系のステップステーを流用したシックス得意のシンプル設計で、この仕様で左右併せてワンオフされるのは、ミッションにボルト止めされる台形のプレートのみである。 |
近年レプリカが発売されるまでは長年、ナックル以前の超ビンテージのオリジナルしか手に入らなかったVLスプリンガー。鋳鉄のリアレッグのカッコ良さは後のスプリンガーに勝るものがあったが、WLの45タイプスプリンガーより細いホイールシャフトの頼りなさには閉口したものだ。それに対してこのレプリカはロッカーの形状見直しによりシャフト径も太くなり、そのような問題点は払拭されている。 |
シンプルな車体に良く似合うワンオフ・ソロシート。製作はシックスがフェンダーステーを兼ねたスチールシートベースを元に、当店と長い付き合いのあるシート工房に装着するバイクをイメージさせるフォルムはもちろん、レザーの色味や質感、ステッチの形状など様々な打ち合わせのうえ決定される。もちろん、カタチも大事だが、「走る」バイクゆえ座り心地も十分考慮される。 |
シックスでも久しくなかった、フロント・ブレーキレス&リアディスクブレーキ・ダブルブレーキキャリパー仕様。装備されていてもブレーキ性能の著しく低い74スプリンガー・ブレーキに見切りを付け、リアのブレーキをハンド&フットの両方で操作できるように改良されたブレーキシステム。安心の制動力と共にフロントハブのなにも付かないシンプルさが実にアウトローくさくてカッコ良い。 |
NOV .2009