1-F21インチ |
2009年最後にシックス・モーターサイクルからお送りするカスタムは、ソフテイルをベースにしたライト・チョッパー、当店では毎度おなじみの王道路線まっしぐらというスタイル。今回は特にベース車が1985年式の初期エボ・ソフテイルと言うコトで、年式相応のヤレが各部に見受けられたので、まずはそのお色直しから始めることとなった。エボと言ってもショベルのデリバリー終了時からそうは変わらない年式なので、フレームや外装だけでなく内部のヘタりもショベル並みなのである。特にショベルとは違いエボはその近代的なエンジンの造形からくるイメージ上、いわゆる旧車的ヤレ感はまったく合わない。大阪風に言えばエボは美しくてナンボである。そんな訳で、カスタムがどうのとか言う前にフレームは古びたペイントを全剥離してリペイントを施しエンジンもミッションも全バラ、ベース車として完全レストアを行なった。その効果は、このチョッパーを見て初期ソフテイルの特徴を知らなければスタンダードシリーズの高年式エボと見間違うような出来に仕上がっている。 |
ボトムケースをブラックペイントしたショウワ製35ミリフォークにベイツタイプ4.5インチ・ライトの組み合わせは王道スタイルで今ではかえって潔い。2インチライザーにセンター部分をカットして幅詰めしたエイプバーにグリメカ・ブレーキセットもシックスならではの捻りなし仕様だ。2.2ガロンのマスタング・タンクはトンネル加工を施し、取り付け位置と外観の見た目を調整している。旧車ならダメ出しを喰らいそうなミニメーターはエボチョッパーなら、かえってあった方が良いのではないかと思える。 |
腰下まで全バラ、隅々までリフレッシュされたエンジンは外観もクランクケースまで本当にピカピカ、このソフテイルが85年製造だということを忘れてしまう。キャブはヘッドカバーと同じ様な質感のポリッシュSUキャブレターに小振りなファンネルを多少加工してセットした。ドラッグパイプは一見既製品かと思いきやよく見るとフロントパイプがダウンチューブをグルリと避けるように切り貼りされたワンオフ・マフラー。バレル型のオイルタンクは名店の誉れ高いサンダンスのものを使用した。 |
プライマリー側も1.5インチ・オープンベルト仕様なので実にすっきりとしたもの。もちろん、セルモーターは取り外されているのでキックオンリー始動。4速ミッション・キック仕様ならポイント点火と合わせると複雑な構造を必要とする5速とは違い本来のキック始動を堪能できるのでラクラク始動。これぞ、4速エボの醍醐味と言える。これならば、キックオンリー仕様のバイク乗り始め時で、よく苦労するキック始動に気を使うことないので、ジョッキーシフトやノン・ロッカークラッチの扱いも最初から十分堪能できるはずだ。 |
写真ではチト見ずらいが、肉抜きの窪みのないフラットなスイングアーム基部やエンド部が角フレームのような造形のアクスルが初期ソフテイルの大きな外見的特徴。リア廻りはリジッド加工の後、5インチ・フラットフェンダーをストレートなワンオフ・シッシバーで固定。ほど良い厚みで製作されたダイヤモンドステッチのコブラシートがフレームとフェンダーにぴったりと合うところはやはりワンオフものの強みか。外装と同色にペイントされたデュオテールのクラシックなデザインは、このようなスタイルには良く似合う。 |
NOV .2009