同業者との連戦続きで疲れて日も暮れようかという時分、こちらはとても無害でお話できるショップ、スラッシュモーターサイクルのご夫婦一行も寄ってくれました。スラッシュのマスコット犬、小さくて可愛いチワワの耕太郎クンもカバンの中にから顔を出し普段とは違う雰囲気に興味しんしんです。でも先にブースに遊びに来ていたブルドックのノリカちゃんに睨まれてカバンからは出ることができないようでプルプルと震えておりました。

日もとっぷりと暮れ昼間の熱気も落ち着き気温も下がり始めた頃、テントサイトからのお客さんが多くなり飲食や物販ブースがだんだんと活気づいてきます。シックスブースもさて本番とばかりに力を入れると思いきやステージライブを見るために、たまたま遊びに来ていた女の子に店番を押し付けてスタッフ全員が出掛けてしまったり、甘言を弄して引き止めたにも関わらず明日仕事があるという真っ当な理由でツボイちゃんが日帰りで戻ったりとブースの勢いは整備不良のバイクのごとくなかなかエンジンがかかkりません。しかし、密かにある人物の狂気のスイッチがアルコールの力を借りてひっそりと入ったのには、この時誰も気付かなかったのでした。

レザー工房ガロンのクマちゃんが用事でブースを離れた頃合を見計らって、狂気のハエ王ことツジちゃんと本業のメカニックの出番が少ないことに焦りを感じ祭りの主役は俺だとばかりに意気込んだ飲んだくれメカニック-タケちゃんの最凶タッグのお下劣接客作戦が炸裂。
まずはテーブルに陣取り通りすがりのお客さんをアルコールで血走った目でじつくりと値踏み、これぞというお客さんが少しでもガロンブースに入るや否や、逃がさないように両手を一杯に広げてブースの外からじわじわと奇声を上げて距離を詰める囲い込み戦法。お客さんが恐喝まがいな行動に怯むと一転、嫌らしい営業スマイルを振りまきつつ電卓片手にクマちゃんの承諾も得ずに独断で値段交渉をするかと思えば表示された数字は商品とは関係ない自分の生年月日という初めから商売する気のないイイカゲンさ。一連のネタのレベルの低さにお客さんも呆れ顔で、最後はあまりのしつこさに気分を害したお客さんに一喝されて吹っ飛んでおりました。
この手が効かないと分かると、さらに懲りずにワインを片手に誰彼かまわずに道行くお客さんに擦り寄り、無理やりワインを飲ませて酔ったところでブースに連れ込んで判断力を鈍らせて財布の紐を緩くさせようという条例違反確実な作戦など、どれも功を奏せずに却ってガロンの評判を落としただけで、バイブズミーティング2日目の売り上げが最も多いであろう本番の夜は終わってしまったのでした。



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